相談支援専門員は、家族の相談に乗り、必要な支援につなげてくれる存在です。ところが、わが家では、その相談支援専門員との関係そのものが悩みになった時期がありました。
わが家で、当時のことを振り返りました。話しているのは、私と妻と、わが家の猫2匹です。
登場人物

夫今の私。落ち着いて振り返る

妻当時の気持ちと、今のこと
メロ当時の私の気持ちを代わりに言う
ナッツ読む人の代わりに聞く
※メロとナッツのセリフは、わが家の体験をもとにした創作です。

夫
これは、わが家が出会った相談支援専門員との経験です。相談支援専門員がみなそうだと言いたいのではありません。

夫
実際に、今はよい方に出会えています。少なくとも私は、その方と良い関係を築けなかった、という話です。
ナッツ
そもそも、相談支援専門員って何をする人なの?

夫
福祉サービスを使うための計画をつくる人です。

夫
受給者証を更新するときも、相談支援専門員がつくる「障害児支援利用計画案」が必要になります。
ナッツ
大事な書類なんだね。
相談支援専門員が変わったきっかけ


夫
息子が中学生に上がるとき、お世話になっていたデイサービスが、会社の方針で中学生を受け入れなくなりました。
ナッツ
えっ、急に?

夫
はい、突然でした。最初の相談支援専門員は、そのデイサービスの従業員でもありました。

夫
その事業所への信頼がなくなったので、役所に相談して、相談支援専門員も含めて変えることにしました。
ナッツ
それで、次の人に頼んだんだね。

夫
はい。次の方には、5年間お世話になりました。親身に話を聞いてくれる人で、最初から悪い印象だったわけではありません。
遅刻と、なくなっていく面談


夫
ただ、時間を守れない方でした。遅刻が多く、指摘しても謝ることはありませんでした。
メロ
約束の時間に来ないのに、謝りもしないの! 社会人としてのマナーはどうなってるの!

妻
私は、あきれちゃったな。社会人として、それはないでしょう、って。
ナッツ
親身な人だと思ってたら、すぐにやめるとは決めにくそう。

夫
そうですね。遅刻のことは、毎回伝えていました。でも、伝えるようになってから、面談は少しずつなくなっていきました。
メロ
面談まで、なくなっていくなんて……。
書類が届かず、支給決定が遅れた


夫
いちばん大きかったのは、年に一度の受給者証の更新です。4年目から、遅れが始まりました。

夫
私は期日内に、役所へ申請書を出していました。でも、障害児支援利用計画案が出されず、支給決定が1か月以上遅れました。
メロ
こっちは期日を守ったのに! これがいちばん許せない!
ナッツ
その人には、言わなかったの?

夫
そのころには、もう嫌気がさしていました。ご本人には言わず、役所に伝えました。
メロ
もう、言う気にもならないよ!
ナッツ
役所の人は、何か言ってくれたの?

夫
役所としては、催促の連絡を頻繁にはできない、とのことでした。効果はありませんでした。
ナッツ
それって、1回だけ?

夫
いいえ。次の年も期日を過ぎ、また1か月以上遅れました。2年続けてです。
メロ
2年続けて!? 信じられない!

妻
これには驚いた。公的なお金を受け取っている事業所が、こんなことをするんだ、って。残念だったな。
メロ
報酬は税金から払われてるんでしょ? 不正に近いことを、役所は放っておくの?

夫
あのときの私は、メロと同じ気持ちでした。マナーのなさへの怒りと、役所が何も指摘できないことへの失望です。

夫
面談にも来なくなり、書類は期日に出ず、その謝罪もない。続ける理由は、ありませんでした。
今だから、言えること

ナッツ
それから、どうなったの?

妻
相談支援専門員って、探そうにも情報が少ないんだよね。

妻
結局、中学生になってから通い始めたデイサービスの紹介で、良い方に会えたの。

妻
そのデイサービスと関係のあるところの方だから、安心感もあったな。
ナッツ
よかった! 新しい人を探す方法は、役所に聞くだけじゃないんだね。

妻
息子も、その方を気に入ってるの。息子が好きになる人は、私たちも好きになることが多いんだよね。

妻
息子の就職前の不安にも気づいて、寄り添ってくれてる。こまめにメールで様子を教えてくれて、一緒に考えてくれるの。
メロ
前の人も、話は親身に聞いてくれた。でも、今の人は行動でも示してくれるんだね。
メロ
それでも、役所は全然助けてくれなかった。

夫
そうですね。役所の担当窓口は、助けてはくれませんでした。その権限も、なさそうに見えました。

夫
今は、相談する先が違ったのだと思っています。公的機関には、事業所を監査する部署もあるからです。
ナッツ
かんさ? それってどういうこと?

夫
相談支援事業所を指定し、指導や監査をするのは市町村です。苦情は、監査のきっかけの一つになるとされています。
ナッツ
じゃあ、そこに連絡したの?

夫
はい。指導監査の部署のほかに、あと2か所、全部で3か所にメールで伝えました。
ナッツ
あと2か所って?

夫
1つは「運営適正化委員会」です。

夫
福祉サービスの苦情を受け付ける第三者機関で、都道府県の社会福祉協議会に置かれています。

夫
もう1つは、市が住民の意見や要望を受け付けている窓口です。名前は自治体によって違います。
ナッツ
伝えた結果は、分かったの?

夫
先方から電話があり、話は聞いてくれました。

夫
ただ、その後どうなったかを報告する義務はないそうで、どの程度効果があったかは分かりません。
メロ
言いっぱなしで、結果も分からないなんて!

夫
それでも、社会正義として伝えておくべきだと思いました。次の家族が、同じ思いをしないでほしいからです。

夫
手間はかかりますが、担当窓口に相談するよりは効果がありそうだと考えています。
ナッツ
ほかに、知っておけばよかったことはある?

夫
相談支援事業所は変えられる、ということです。市町村に届け出れば変更できます。

夫
家族が自分で計画案をつくる「セルフプラン」という方法もあります。使えるかどうかや手続きは、自治体によって違います。
人に左右されないために

夫
正直に言えば、いい加減な相談支援専門員もいる、という印象は持ってしまいました。

夫
だから、相談支援専門員については、複数の選択肢を準備しておくのが良いと思っています。

夫
ただ、情報が少なく、簡単ではないことも分かっています。

夫
人に左右されないために、親が使える選択肢を知っておく。それが、今の私の考えです。
ナッツ
合わないと感じても、がまんし続けるしかないわけじゃないんだね。
まとめ
親が使える選択肢
部署の正式な名前や手続きは、自治体によって違います。下の「役割」を手がかりに探してみてください。
更新が遅れている/事業所を変えたい
市町村の障害福祉の担当窓口
支給決定の状況や、事業所を変える届け出について相談する。
事業所の運営の問題を伝えたい
市町村の、事業所の指定・指導監査を担当する部署
起きたことを伝える。苦情は監査のきっかけの一つになる。ただし、必ず調査されるとは限らない。
事業所と話しても解決しない
都道府県社会福祉協議会の「運営適正化委員会」
第三者として苦情の相談に乗り、事情を調べる機関。双方が同意すれば、話し合いの仲立ち(あっせん)もする。
市に意見として伝えたい
市の、住民の意見や要望を受け付ける窓口
名前は自治体ごとに異なる。
わが家は、3か所ともメールで送り、先方から電話がありました。
別の相談支援専門員を探したい
通っている事業所、市町村の窓口など
紹介できる事業所があるか、受け入れの余裕があるかを聞いてみる。
わが家は、通っているデイサービスと関係のある事業所を紹介してもらい、良い方に出会えました。
- 家族が自分で計画案をつくる「セルフプラン」という方法もあります。使えるかどうかや手続きは、自治体ごとに異なります。
- 相談するときは、申請書を出した日・出されていない書類・これまでのやり取りをメモしておくと、説明しやすくなります。
制度の根拠(2026年10月時点。手続きや窓口は、お住まいの自治体にご確認ください)
- 児童福祉法 第21条の5の7(支給決定の際の障害児支援利用計画案。第5項が、いわゆるセルフプラン)
- 児童福祉法 第24条の26・第24条の34(障害児相談支援事業者の指定と、報告の求め・立入検査は市町村長が行う)
- 社会福祉法 第83条・第85条(運営適正化委員会の設置と、苦情の相談・調査・あっせん)
- 厚生労働省「計画相談支援・障害児相談支援依頼(変更)届出書」の様式例(事業所を変えるときの届け出)