当事者として / 対話

卒業後の進路で
大事だったのは、
心の準備

2026.10.18

話す灰色の猫と、耳をかたむける茶トラの猫

特別支援学校を卒業すると、学校もデイサービスも一度に終わります。卒業を前にしたわが家の進路の準備を、わが家の猫2匹と振り返りました。

登場人物

私今の私。落ち着いて振り返る

メロ当時の私の気持ちを代わりに言う

ナッツ読む人の代わりに聞く

※メロとナッツのセリフは、わが家の体験をもとにした創作です。

私

息子は今、特別支援学校の高等部の最後の年です。卒業後は、就労継続支援B型に通う方向で準備しています。

私

この記事で伝えたいのは、進路の準備で、情報と同じくらい大事だったことです。

ナッツ

情報と同じくらい、大事なこと?

卒業すると、学校もデイサービスも一度に終わる

心配そうな茶トラの猫

私

現場実習が始まってから、息子は4月からのことを想像することが増えました。

私

家で同じことを何度も聞いてきたり、寝る前に手が冷えてしまうことも多くなりました。

メロ

そんなに不安だったの……!

私

学校が終わり、デイサービスも終わる。息子にとっては、これまででいちばん大きな変化かもしれません。

私

誰でも不安になりますよね。先の見通しが立ちにくいなら、なおさらです。

ナッツ

見えないから、こわいんだね。

私

実習を終えるたびに、息子はすぐ、次の候補を自分で探していました。

私

大学生になりたい、テーマパークで働きたい、車掌になりたい、アイドルになる、動画編集をする……。

私

今思えば、不安の裏返しだったのだと思います。

わが家の進路の流れ

説明する灰色の猫

ナッツ

進路って、どうやって決まっていくの?

私

わが家の場合、現場実習は高校2年の後半から、半年に1度くらいでした。来月から3か所目です。

私

進路のことは、先生との面談や説明会で知りました。先生は、B型を想定して実習先を選んでくれていました。

私

先月は、相談支援専門員と一緒に「就労選択支援」の事業所へ面談に行き、12月からの利用に向けて準備しています。

ナッツ

しゅうろうせんたくしえん?

私

2025年10月に始まった仕組みです。B型を新しく使うときは、原則として、先にこれを利用することになりました。

私

特別支援学校に在学中から使えます。大事な仕組みなので、別の記事で詳しく書きます。

情報は2種類ある

指さす灰色の猫

ナッツ

B型の情報は、たくさんあったの?

私

いいえ。役所でもらえるのは、デイサービスのときと同じで、事業所のリストだけでした。

メロ

またリストだけ……。

私

ただ、情報には2種類あります。一つは、制度の仕組み。国や自治体の資料に書いてあり、ネットでも調べられます。

私

生成AIに原典の資料を読ませれば、親でも仕組みをかなり深く理解できます。

私

仕組みが分かっていると、相談支援専門員とも同じ目線で話せます。手続きは、今も相談支援専門員に頼っています。

私

もう一つは、地元の情報です。どの事業所が子どもに合うかは、ネットにはほとんどありません。

私

それは、先生や相談支援専門員から聞く話と、実習で体験することでしか分かりませんでした。

いちばん時間がかかるのは、子どもの心の整理

寄りそう2匹の猫

私

振り返ると、難しかったのは、情報の早さではありませんでした。

私

親は「卒業したら働く」と、なんとなく思っています。でも本人の心の整理には、時間がかかります。

ナッツ

どうやって、心の整理をしたの?

私

学校とデイサービスが、とても協力してくれました。

私

息子は、家では言わない悩みや夢を、それぞれの場所で話していたようです。

私

そのたびに、たくさん話を聞いて、働くとは何かを話してくれて、それを私たちに伝えてくれました。

ナッツ

みんなで、話し込んだんだね。

私

ある日、家で息子が言いました。「働いたら、妹たちは僕が守るんだ」。

メロ

前を向こうとしてるんだね……!

私

これが、どこでも同じようにできるかは分かりません。学校やデイサービスに押しつけたいわけでもありません。

私

先生もデイサービスの人も、人間です。信頼して、情報を共有していくことが大切だと思っています。

私

そして「働く」ことは、早めに、時間をかけて少しずつ伝えていってもいいのかもしれません。

ナッツ

見通しが少しずつ見えてくれば、こわさも小さくなるね。

まとめ

卒業前の進路で、親ができること

進路の決め方に、正解はありません。わが家の場合です。

制度の仕組みを調べる

国や自治体の資料、ネット

仕組みは公開されている。生成AIに原典を読ませると、理解が深まる。分かっていると、相談支援専門員とも同じ目線で話せる。

地元の情報を集める

学校の先生(面談・説明会)、相談支援専門員

どの事業所が合うかは、ネットではほとんど分からない。役所でもらえるのは事業所のリストが中心。

実習で体験する

学校

合うかどうかは、体験してみて分かることが多い。

高校2年の後半から、半年に1度くらい実習に行きました。

就労選択支援を知っておく

相談支援専門員、市町村の窓口

2025年10月から、B型を新しく使うときは、原則として先に利用する。特別支援学校に在学中から使える。

子どもと、時間をかけて話す

学校、デイサービス

家では言わない悩みや夢を、学校やデイサービスで話すこともある。信頼して、聞いたことを共有し合う。

制度の根拠(2026年10月時点。手続きや窓口は、お住まいの自治体にご確認ください)

  • 厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」。就労選択支援は令和7年10月1日に開始。新たに就労継続支援B型を利用する場合は、原則として事前に就労選択支援を利用する
  • 文部科学省・厚生労働省「特別支援学校等における就労選択支援の取扱いについて」(令和7年5月15日)。特別支援学校等に在籍する生徒も利用できる
並んで前へ歩く2匹の猫

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